のび太の新魔界大冒険

STAFF
原作:藤子・F・不二雄/総監督:楠葉宏三/監督・絵コンテ:寺本幸代/
脚本:真保裕一/演出:腰繁男/作画監督金子志津枝
CAST
水田わさび大原めぐみ相武紗季河本準一銀河万丈久本雅美


ようやく見に行ってきました。
客席はどこもかしこも親子連ればかり、こういうところではやはり大友の自分は肩身が狭くなってしまふ・・・。
まあ、でも面白かったからいいか。


ということでネタバレしつつの感想。



今作は1984年に公開された「のび太の魔界大冒険」のリメイクではありますが、原作と比べストーリーの多くに改変があったため別作品として楽しみました。


その改変の際たるものがメジューサの扱い。
原作ではドラのびを石像にする場面のみでのチョイ役でしたが、本作では悪魔に魂を捧げてしまった美夜子の母の成れの果てとして物語の中核に関わる重要なキャラクターとなり、この彼女(?)の存在自体が作品のテーマ自体を原作と違うものにしているように見えます。


幼少の美夜子と母の思い出や、何故母が悪魔と契約するに至った経緯、契約と魔界星接近との関係など原作以上に深く満月一家のエピソードが掘り下げられた事により、家族愛ドラマの様相を呈していたように感じられました。感動系に比重を置いたという所でしょうか。



◎他特筆すべき所


1.月光灯
 この道具知ってる人どれだけいるんだろうか・・・結構マイナーな部類に入ると思うんですが。
 映画原作にも出てきていないのにわざわざ登場させたのは、ドラミ登場の辻褄を合わせるためなんでしょうねえ。
 石像のびドラが光を浴びる⇒石化の魔法が解ける⇒ポケット内で暴れる⇒腹痛で過去ドラが未来へ の流れを作る必須アイテムとなりましたし。デマオンの分身魔法を破る手段として使用したのはこの為の伏線だったのか。


2.魔王城への短い道のり
 原作では人魚&クジラに襲われたり、森の中を通ったり、ハイエナが巣食う平原を通ったりと、魔王城にたどり着くまでにかなりの苦労をしていましたが、「新魔界〜」ではこの辺が丸々省略されてました。個人的には「そりゃないよ」「え、、もう着いたの?」と言うような感じでしたかね。
 その為、銀のダーツが効かないという衝撃の場面になってもイマイチ盛り上がれませんでした。
 あそこは苦労して長く危険な道のりを越えてきたからこそ、ダーツ無効を知ったときの絶望感が引き立つと思うんだけどなあ・・・。


3.タイムふろしき
 重箱の隅を突付くようですが、もう一つ気になったのがコレ。
 原作ではドラミが石像のびドラを元に戻すまで出てこなかったのですが(しかもドラミ所有のふろしき)、今作では屋根の修理の為にもしもボックスを使う前という相当早い段階で出てきています(ドラ所有のふろしき)。


 ・・・・・・はっきり言ってこんな早い段階で出てきて欲しくなかった・・・。
 お陰で、コレがあれば美夜子を元に戻せるし、もしもボックスだって(原作では埋め立てられてしまいましたが、本作では壊された受話器が出てきてたし・・・)直せるじゃないか・・・。というツッコミが出来てしまふ・・・。




 まあ、そんなかんじでアレンジに部分については満足もあり不満もありでした・・・が全体的には満足です。
 ゲスト声優さんの演技についてはあまり突っ込むべきではないのでしょうけど、やはり本職とのギャップが・・・ね。聞くに堪えないというレベルではなかったので別段不満はありませんでしたが。